どんな映像の技術も必要ない。美しいのは”ただ、それだけ”。日常/非日常の境界線からは距離を置き、目の前にある景色を撮影しただけ。ただただ、それだけの話なのに。この飾らない映像と音がどこまでも心に沁みていく。
音も光もない窓からの景色。結露の雫が落ちるガラスを拭ってもその先はどこまでも夜だ。午前0時。深夜のニュース。今日も人が死んでいるし、なんとなくアベ政権に嫌悪してみる。世界の右傾化が、とか考えてみる。昨日のM-1、和牛が良かった。あぁ、今日も1日が終わっていく。さて、世界は変わらない。それっぽいことを言っても私はどうしようにも一般人だ。平凡な人生を過ごし、いつか消えていく。何も起きない日常に見るHugo Maillardの映像は何故こうも胸が苦しくなるのか。この素朴さが泣けてしまう。これほどに静かな世界で、世界で誰も見ていないであろう、この映像を見る、この時間がたまらなく好きだ。時計のアラームは6:30にセットしてある。明日も何も変わらないのだけれども。