7/02/2017
"What Remains of Efith Finch" by Giant Sparrow
Giant Sparrowが手がけるアドベンチャー『What Remains of Edith Finch』にて。行方不明になったミルトンのストーリーで、彼が絵を描いていたお城(塔)を訪れた際に敬愛する『The Unfinished Swan』の音楽が流れてきたときには何とも言えない感動があった。『The Unfinished Swan』は実はミルトンによる物語だったわけで、『What Remains of Edith Finch』ではメタ的に描かれている。いわゆるイースター・エッグだ。ミルトンは魔法のペンで描いた扉の向こう側消えてしまい、そこで彼は白い世界を創造する。そこで私も目撃した城であるとか、カエルの絵だとか、黄色や黒色のペンキだとか、それらがミルトンの部屋にあって、ここまで美しいメタ表現はなかなかないな、とも。
『The Unfinished Swan』がどれほど素晴らしいかを言葉にするのは難しいが、とにかくあの体験は今までに無いものだったし、あそこに広がっていた清らかな、透明な色はどうにかして手にしたい。そういえば2015年にリリースした『Gargoyle』にはこの作品が好きすぎて、OSTをスクリューしリバーブをかけたものをループしただけの音源を「Black Swan」として収録した。タイトルからして元ネタありきとして。
Giant Sparrowはとにかくミルトン同様に世界の創造に長けすぎている。案の定、今回のフィンチ家にも深く惹き込まれてしまった。先のミルトンからルイスのストーリーへの流れは完璧だったし、今もルイスが妄想した世界に流れていた音楽が忘れられない。
どんどんと人が死んでいくのに奇妙にもそれが美しかったりするのは『Inside』も同じかもしれないが、あれはSFやディストピア趣味であって、こちらはどちらかというとエドワード・ゴーリーのイズムに通じるものがある。悍ましく、儚く、美しく、奇妙な「死」たち。あぁ、しばらく頭を離れそうにないな。