7/16/2016

rrr G ~ coco_chambo / great_release



 日常の音。何でもないスマートフォンで撮影された動画。日々大量にYouTubeやTwitter、VINE、Instagram等にアップロードとアーカイブされていく誰かが撮影した無価値の光景。こういう議題、もういいよね。そういえばWIREDは”インターネットの次に来るもの”を論じようとしている。しかしインターネットはインフラだ。生活のそこにある。これからもずっと。自分の足で稼いできたフィールドレコーディングにYouTubeから引き抜いてきたmp3は劣るのだろうか。劣る。と言い切りたいところなのだが、アップロードした当人が音楽として認識していない動画の音声ファイルを音楽としてパッケージする行為は十分すぎるぐらいに芸術の行為だと思う。”Music for YouTube”の音楽は数年前にでも発表されているべき。しかし、今の所それらしい運動はない。そんな悲哀を感じるrrr Gの二つの映像作品。大多数にとってどうしようもないものだ。しかし心地の良さがある。深夜に一人で、部屋を暗くして。YouTubeの関連動画で偶然見つけた、あの動画たち。無価値としていい。無価値なのが良い。実験はオナニーの行為であることが何よりも重要。大衆に響く必要はない。