バンドというフォーマットがティーンの中で太いものでなくなり始めたここ数年の時流において(今はヒップホップが全てを握っている)、逆張りするつもりではないが、そこでどうするのかということに非常に興味が湧いている自分としては、この文字通りにゴミみたいなヴィデオ、ゴミを映したヴィデオに流れる00年代のインディー・マスロック・バンドがEPに収録していそうなリフ、サンプリングなのかどうか知らないが、これが非常に心地が良い。
以前も取り上げたがrrr Gは”YouTubeトラッシュ”の美学を心得ている人物だ。先日、Gobbyから新しい動画を公開したとの連絡を受け取った。こちらも本当に”クソ”みたいな内容で。名門〈DFA〉からデビューした彼がその後にこう言った相変わらずの悪趣味を投下し続けるのはある種のタフネスというか底抜けにポップ・ミュージックのジャンクな部分や複雑化を楽しんでいることが伺えて、やはりフランク・ザッパの政治的アティチュードを抜きにしたところの正当後継者は彼で間違い無いのではないだろうかと。彼は確かにYouTubeトラッシュのセンスを持ち合わせているが、70年代や80年代から続く実験音楽の紡ぎを美しく受け継いでいるのが素晴らしい。rrr Gも似たところに立つだろうか。
https://soundcloud.com/gobby-2/the-cashier
○ Gobby https://soundcloud.com/gobby-2