1/28/2019

w3bcam - Right now


以前のOPNが持っていた魅力が薄れたように感じるこの数年。「Returnal」「Replica」「R Plus Seven」の幻影を求めてしまう直撃世代の自分(彼は82年生まれで私は92年生まれ)。Tiny Mix TapesもPitchforkも2018年の彼には見向きしなかった。ラッセンを起用した(そのセンスとタイミングも幾許か”時代遅れ”にも感じた)EPは見事に話題にならず。彼は過渡期である。しかし、そのようにメディアやリスナーから見放されてしまった(とはいえ、しっかりと彼は現代の電子音楽の最重要人物として座していることに変わりはないんだけども)状況もまた彼は楽しんでいそうで、来年〜再来年あたり、それこそ彼が最も上昇していった10年前から10年後というタイミングはまたヤバいことをしてくれるのではないかと期待している。私はどこまでも彼やジェームス・フェラーロの信奉者なので。
と、いう大局的なストーリーとは全くもって同じレベルではないところの、下層の下層、彼らもまた結局はOPNが築いた「2010年代」というディケイドの感性、今回の場合はナイトコア(哲学的にも論じられるようになってしまったヴェイパーウェイヴのスクリューという手法の反転で、ピッチを上げるエディット)だけど、このすでに誰も興味のない文化に固執している連中は、政治的妥当性について全員が思慮する時代、そこに結びついた芯の太い音楽(例えばNon周辺)から隔絶したところ、どこか逃避的で、ただ、それが軽薄には映らない自分はTwitterに見る政治に疲弊して自分は自分で政治について考える(私にも政治的信条はあって、中道左派だ。)からと大量にアンフォローしたタイミングとどうも相性がよく。しかし、この疲弊感について書くのもいまの時代は許されない気がして。どんどんと彼らのような自己満足に付き合って地下に静かに潜りたくなるのだった。