James Johnsonが「A Dream Play」と題した短尺の映像群を公開している。ある程度の尺のある作品の一部を切り取ったものなのか、これら全てが単独で「A Dream Play」を構成するものなのかは不明だが、彼が現在、世界でもっとも美しい映像を作っている作家の一人であることは疑いようがなく、以前取り上げた際もそのように触れたが、どこか薫る官能性と淡く色づく郷愁の広げ方、その静けさ、シルクのような滑らかさは現実からの逃避としてどこまでも見ていられるものだ。この数秒、数十秒でしかない時間はどこかインスタグラムなどのSNSで映像に対して瞬間性とループに自然と慣れてきた私たちのために加工されているようで、それが皮肉なのかは分からないが、YouTubeを舞台に地下で静かに活動する彼の佇まいと、いつか消え去ってしまいそうなこれら作品群が持つ言葉に出来ぬ儚さは、想像以上に上手く相互作用としてWebの環境をも取り込んだアートとしてしっかりと成り立っている。