拾う事の出来る情報をすべて鵜呑みにするのならば14歳のロシアの少年Nikolay Kozlovによるプロジェクトᕦ(ò_óˇ)ᕤが公開している唯一の楽曲「Input」は思春期であろうその年齢からは想像ができないほどに落ち着きを払っている。アンビエントやニューエイジが氾濫するなかであまりにも王道だし全く新しくないが、彼が「Input」の10分でゆっくりと描写していく飛行機から眺めるほんの少し丸みを帯びた地平線は美しいとしか言いようがない。ロシアン・アンビエント/ドローンの現行といえばx.y.r.などの名前が浮かぶが、それほどの”作家”然とした佇まいがあるかというと疑問が浮かぶし、前述の通りに楽曲としての落ち着きはあるがどこか”やってみました”的な軽薄さ、というより素直に”軽さ”もある。SNSのvkが背景にあるとどうもそう映ってしまう現代病なのだろうか。x.y.r.のような”正統派”というよりはdj lostboiあたりからの影響でこうしたドローンに行き着いたカジュアルさ。重くないドローン。プラスチック製のドローン...。ᕦ(ò_óˇ)ᕤという顔文字を据える感覚が何よりも設定として古臭く感じるし、そしてそこが良いな、と。何より彼は14歳だから。彼が先月公開した架空のラジオの録音はどこまでも退屈で2018年1月の空気感に馴染む。謹賀新年。2018年もよろしくお願いします。