6/11/2018

The Video Game Dystopia Anti-Music of Gargoyle / Mayor Kenji - Black Market


2015年にリリースした『Gargoyle』を題材に”ビデオ・ゲーム・ディストピア”の論考をしてくれている人がいた。多量のソースの羅列は圧巻だし何より『Gargoyle』で使用した元ネタまで掘り下げて提示している点がとにかく嬉しい。こういうSci-fiな音が増えて珍しくもないようになった2018年に聴くと食傷気味かもしれないが、2015年当時の日本においては確実に刺激が大きかった触感だった。自身の活動全般に言えるけれども、10年後にもひっそりと聴かれていて欲しい。

さて、Sci-fiでなく。
セガ・サターンの生産中止が決定した2000年に、今は亡き名レーベル《Mayor Kenji》が開発したシティー・ビルディング・アドベンチャー・ゲーム『$egalopolis』。理不尽とも言えるほどに難易度が高く、販売当初は評価されなかったものの(セールスの結果は惨敗であり、これが《Mayor Kenji》倒産の引き金となった)、その後、ハードコアなゲーム・ディガーの手により攻略動画がYouTubeなどにアップロードされるようになるとその革新的なゲーム・システムやファンタジーかつシュールな唯一無二の世界観が再評価され、現在では00年代初期を代表するカルトADVとして確固たる地位を築いている。当時、《Mayor Kenji》が少数限定で自主生産したプレミアOST(Discogsなどでは$500以上の高値で取引されているとか!)がなんとリマスター復刻版として日本の音楽レーベル《Wasabi Tapes》よりリリースされることが決定した。「Black Market」「Downtown」といった人気の高い曲はもちろんの事、「Dancer」「Gangsta」など当時は収録されなかった曲も網羅。あらゆる世代のファンが楽しめる充実の内容となった。アートワークを担当したのは《Mayor Kenji》でもグラフィック・デザイナーとして活躍したアーティストのKenji Yamamoto。